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ブレイクスルーとは?課題克服の思考とビジネス戦略・成功事例も紹介

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ビジネスシーンでよく使われる「ブレイクスルー(Breakthrough)」とは、困難を乗り越え、発展のきっかけをつかんだ状態を指す言葉です。自社業績の低迷や、自社商品やサービスの認知・ブランド化が思うように進まないときには、ブレイクスルーを起こしたいと考える企業も多いでしょう。

本記事では、ブレイクスルーの必要性や促進方法、課題と維持・成長戦略についてわかりやすく解説します。成功事例も紹介しますので、自社のパラダイムシフト実現のためにお役立てください。

目次

ブレイクスルー(Breakthrough)とは?

ブレイクスルー(Breakthrough)とは?
ブレイクスルー(Breakthrough)とは?

ブレイクスルー(Breakthrough)とは、「破壊・打破・打開」を意味するBreakと「通り抜ける・通過する」を意味するThroughの2つを組み合わせた言葉です。

ビジネスにおけるブレイクスルーは、既存の常識に囚われない思考がもたらす、困難や壁の突破です。

始めに、ブレイクスルーの重要性やイノベーションとの違い、発生する社会的背景について解説します。

ブレイクスルーの重要性

ブレイクスルーという言葉は「突破口を見つけて前進する」「停滞から脱出する」という意味で使われます。1つの困難を突破すれば先が開ける状態を指すことから、近年、企業においてブレイクスルーを起こす思考法が重要視されています。

ブレイクスルーに必要な思考法とは、過去や現状の分析・改善にゴールを置かず、求める未来を創造するための、実現方針を構築する、目的志向の考え方です。従来の課題解決は、過去と現状の原因を分析するアプローチを取りますが、ブレイクスルー思考では目的を達成するために必要なシステムを構築する手法を使います。

「何のために」を突き詰める思考をビジネスに取り入れれば、企業は新しい事業のヒントを見いだすパラダイムシフトが可能です。視点が変わることで、例えば、消費者の潜在的なニーズを汲み取ることもできます。固定観念や既存理論に囚われないアイデアで商品を開発できれば、市場における優位性を得ることも可能です。

ブレイクスルー思考による創造性の高い企業文化からは、将来的にもブレイクスルーの発見や導入が促進されます。結果的に、企業の持続的成長が可能になることも、ブレイクスルーが重要視される理由です。

ブレイクスルーとイノベーションの違い

ブレイクスルーと似た言葉にイノベーション(Innovation)があります。それぞれ使われるシチュエーションに違いがあります。

イノベーションとは「革新」「刷新」「新機軸」の意味で、既存のシステムを捉え直して革新的な手法で新たな価値を創造し、社会変革を起こすことを指します。イノベーションが目指すゴールは、新しいものを生み出すことです。

一方、ブレイクスルーの目的・ゴールは課題や困難の打破であり、イノベーションには困難を突破するという意味合いはなく、両者の違いは目指すゴールにあります。言葉の使い分けでは、変革を目的とする場合は「イノベーション」、課題解決を目的とする場合は「ブレイクスルー」とするのが一般的です。

ブレイクスルーを見いだすためにはイノベーションが必要となり、イノベーションを起こすためには、既存の枠組みを根底から覆すブレイクスルー思考が必要となるなど、両者は密接に関係しています。

ビジネスでのブレイクスルー社会的背景

市場の先が読めない現代のビジネス環境では、新たなビジネスモデルの開発・市場の創出を求め、ブレイクスルーを探る企業が増えています。

ブレイクスルーが必要とされる環境要因は、市場において、価値観の多様化で商品の売れ筋を見切れなくなったこと、少子高齢化による消費者人口の減少により、大量消費の時代が終わったことです。これらの要因から、発想の大転換による新たな価値観とニーズの発掘・創出が必要となりました。

企業においても、労働人口の減少と人材の流動化により、従来型の人材育成法と活用法では、企業の生産性を維持することが困難になっています。組織の生産性を維持・向上するためには、働き手を巻き込んだ組織全体の意識改革が求められます。

対症療法的な現状解決ではなく、ブレイクスルーによる本質的な解決策を見出す必要があるのです。ブレイクスルーにより、市場の縮小や労働人口の減少に企業が対抗することが可能です。

ブレイクスルーの必要性

ブレイクスルーの必要性
ブレイクスルーの必要性

ブレイクスルーは、緊急性のある課題の改善策を見出したいときに求められるものです。

ここでは、ブレイクスルーの必要性について、メリットとデメリットの観点から解説します。

ブレイクスルーするメリット

企業と従業員がブレイクスルー思考をすることにより、課題に対し、建設的で革新的な解決策を見いだせます。予想外の事態に対しても目的が明確なため、達成に向けポジティブかつシステマティックに対処でき、新たな策を講じることが可能です。

ブレイクスルーを起こせば、社会の潜在ニーズに応える製品やサービスを開発でき、新たな市場や顧客層を開拓するチャンスを呼び込めます。過去や固定観念に囚われず常にゼロベースで考え、新たな視点でチャンスを生み出すことが可能なためです。結果として、事業が社会に受け入れられ、企業の競争力を強化し、市場での地位を向上させることができます。

また、ブレイクスルー思考は個人の成長を促します。目的を達成するためだけに行動するため、ロジカルで無駄のない思考ができます。また、目的を突き詰めることで、新たな目的を発見することも可能です。常に新たな視点で物事を見ているため、創造性を持続させることができるのです。

ブレイクスルーするデメリット

ブレイクスルーのデメリットは、失敗の可能性があることと、結果が出るまでに時間がかかることです。

突破口を見いだすためにアクションを起こしても、新しいやり方やアプローチが市場で受け入れられなければ、投資したリソースや労力が無駄になる可能性があります。十分な資金力を持たない企業であれば、一度の失敗により、次の挑戦に投じるリソースが枯渇するかもしれません。

また、ブレイクスルーの結果が出るまでには時間が必要です。成果が出る前にメンバーのモチベーションが下がれば、離脱者がでる可能性もあります。思考法を切り替えるためにも時間を要するため、人によっては、保守的な思考に戻ってしまうかもしれません。組織の結束が担保できない恐れがあることも、ブレイクスルーのデメリットです。

ブレイクスルーを起こす方法

ブレイクスルーを起こす方法
ブレイクスルーを起こす方法

ブレイクスルーを起こすためには、いかにチームでアイデアを出し、リスク管理をするかが重要です。

ここでは、ブレイクスルーを起こす方法について、アイデアを生むテクニックやチームでの促進法、リスクとの兼ね合いについて解説します。

アイデアを生むためのテクニック

ブレイクスルー思考で画期的なアイデアを生むためには、複数の視点で物事を捉えることが必要です。

「ブレインストーミング(集団発想法)は、個人だけでは思い浮かばないクリエイティブなアイデアの発見・提案、メンバー全員のアイデアを簡単にまとめることができ、チームの団結を強める効果があります。収集したアイデアをマインドマッピングなどで関連づければ、アイデアを客観的・体系的に整理することが可能です。

さらに「ラテラルシンキング(水平思考)」も、アイデアを生み出すために有効です。固定観念や既存論理に囚われず、多角的な視点から自由に発想できる手法で、この思考法により偶然や直感的発想をチャンスに結びつけられると期待されています。

ラテラルシンキングができる組織では、意見の相違や対立を、ユニークな複数の可能性として捉えられるようになります。結果として、多様な意見やアイデアを批判せず、フラットに抽出することが可能です。

チームでのブレイクスルーを促進する方法

チームでブレイクスルーを促進するためには、明確なゴールに向けて多くのアイデアを出し合い、否定せずにアイデアを討論し合える環境づくりが重要です。

オープンな情報公開と積極的な傾聴、相互理解により、明確で誤解を生まないコラボレーションを実現できます。部署横断的な意見交換、外部との交流を取り入れると、さらにアイデアの幅が広がります。

各自が安心してアイデアを表現でき、リスクを負うことができるためには、お互いの能力に頼れる心理的安全性が必要です。心理的安全性がある組織では、意見が対立する際にも、お互いに敬意を持ちながら、建設的な調停や交渉に臨むことが可能です。

各メンバーにそれぞれのスキルや専門知識に合わせた特定の役割を与えると、組織で個人が能力を発揮できます。明確な役割があれば、メンバーはそれぞれの職務に責任を持ち、目標に対する貢献を認識できるためです。

チームでブレイクスルーを促進するうえでは、メンバーの思考がブレないよう、リーダーによる統率も重要になります。なかなか結果を出せないメンバーに再度目的を明示するとともに、自発的なアイデア創出や行動に導くことが求められます。メンバーの自発性を促すためには、メンバーに心理的安全性を与えるとともに、挑戦を評価できるリーダーが必要です。

リスクを計算しながら進める方法

ブレイクスルーにより現状の突破口を開きたい場合に、事前にリスクを想定してコントロールすることが重要です。

手順としてはリスクの特定と分析を行い、優先度を決めます。

まず、プロジェクトの潜在的なリスクをすべてリスト化します。リスクの洗い出し方法は、関係者へのヒアリングや、チームでのブレインストーミング、前提条件の記録、チェックリストの作成などです。対処するリスクの優先順位は、発生する確率とプロジェクトへの打撃の大きさにより判断します。

進行中のプロジェクトに対するリスク管理には、定期的なモニタリングが必要です。定期的なステータスと記録の更新のほか、リーダーやマネージャーの意識合わせ、メンバーへの共有が必須です。リスクを想定し許容範囲を把握していれば、事業への影響を最小限に抑えられ、最悪の場合には撤退などの判断基準も明確にできます。

リスクの管理と共有には、専用のツールがあるため、効率的なブレイクスルー推進のために活用するとよいでしょう。

ブレイクスルーの課題と対策

ブレイクスルーの課題と対策
ブレイクスルーの課題と対策

ブレイクスルーを阻む要素には、メンタル面の障壁や、資源の制限、外部環境の制約などがあり、それぞれに対策が必要です。

ここでは、ブレイクスルーの課題とその対策、実際の失敗事例について解説します。

メンタルの障壁

失敗を恐れ挑戦できない、あるいは失敗を経験してすぐに挑戦を諦めてしまうために、ブレイクスルーに到達できない人もいます。

一度失敗をすると「自分には能力がない」と感じ、挑戦を諦めてしまう人は多いです。しかし実際には、失敗から成功が生まれたり、非常識から成功が生まれることも多く、成功には失敗が付き物だと理解しましょう。ブレイクスルーで成功するためには、具体的な顧客像をイメージしながら、根気強く改善を続けるプロセスが欠かせません。

スキル習得や事業の「成長曲線」は、リソースの投入や努力の量に正比例せず、ある時点(ブレイクスルーポイント)からカーブを描いて急速に伸びるのが一般的です。そのため伸びる時点に到達しないうちに、期待と実際のギャップで断念しないよう、周囲がフォローする必要があります。具体的には、適切なフィードバックを提供し、本人に分析させ、主体的な軌道修正を考えさせるのです。

個人が失敗を恐れず挑戦を続けられるためには、組織が挑戦と失敗を受け入れる文化を醸成する必要があります。

資源の制限

ブレイクスルーのための施策を考案したが、リソース不足により実施が困難なケースがあるのも事実です。

企業規模によっては、施策の実施に予算や人材の課題が立ちはだかります。設備投資などに巨額の資金が必要にもかかわらず、企業の信用やアイデアの奇抜性により、融資を得られないといったことも考えられます。逆に企業規模が大きすぎても、意思決定が複雑化し、施策遂行のための効率的なリソース配分が困難です。

資源の制限への対策として、効率的な資源配分のためのプライオリティ設定が求められます。社内においては、DXによる業務効率化や、人材の再配置などが有効です。

さらに、自社単独では実施が困難でも、他社や顧客のリソースを活用すれば、施策を実現できる可能性もあります。自社のリソースとあわせてシナジーを生む可能性もあるため、社内に限定せず、リソースを社外で得られないか検討してみましょう。

外部環境の制約

市場環境や規制、競合といった外部からの制約により、ブレイクスルーが困難なケースもあります。

例えば、市場の国際化やインターネット化によるニーズの多様化も、ブレイクスルーが困難になる要因でしょう。また、新型コロナウイルスパンデミックや戦争の勃発による経済変動も、自社では変えることのできない多大な外的制約です。

ブレイクスルーを阻む外部環境への対策は、環境を読み解き、柔軟に対応する戦略を構築することです。自社の強み・弱みを分析し、市場における自社の立ち位置を把握したうえで、多角的な視点から突破口を見いだしましょう。AIやビッグデータから市場を読み解き、有効な施策を策定することも有効です。

失敗事例

ブレイクスルーの失敗は、先に挙げたさまざまな要因により起こります。

2002年に発売されヒット商品となった、米国iRobot社が開発した掃除ロボット「ルンバ」と同類の製品が、実際には日本企業で2002年以前に開発されていました。

しかし日本での製品は発売に至らず、試作品の段階で経営陣からストップがかかったといいます。製作中止の理由は「掃除ロボットが仏壇のろうそくを倒して火事になる恐れがある」というものでした。この課題に対し、同社では技術的な課題解決策を見いだせなかったために、商品化を断念せざるを得なかったのです。

もしこのとき技術面以外の解決策を探っていれば、同社は消費者に生活習慣の改革という多大な価値を、世界に先駆けて提供できていたかもしれません。例えば、法務部門と連携した事故対策や、保証面での取り組みなどが考えられます。

こうしたブレイクスルーの失敗は、アイデアの優劣だけでなく、組織の意思決定システムや挑戦を許容できない企業文化による影響も大きいのです。

ブレイクスルーした成功事例

ブレイクスルーの失敗事例から、課題の克服が簡単ではないことがわかります。それでも、中には課題を乗り越え業績を上げた企業も少なくありません。

自社の改革の参考にできるよう、ブレイクスルーに成功した事例を3つ紹介します。

コクヨ株式会社

コクヨ
出典:コクヨ

文具・事務機器大手の「コクヨ株式会社」では、同社の模倣品を製造する中国企業と提携し、販路拡大・売上向上に成功しています。

2009年、同社は上海のオフィス家具展示会場で自社製品とそっくりなコピー品を発見。その技術力に目を付け、すぐにタイアップを思いついたといいます。コピー品を生産する企業と提携し、現地で技術指導も実施し、高品質の製品を従来の半分の価格で売り出すことに成功しました。それまでコクヨ製品は高品質の高価格といわれてきましたが、中国企業との共同開発で高価なイメージを覆したのです。

同社では、2011年に文具の模造品を製造する中国企業も買収しています。海外で現地企業と正面から対決せず、取り込むことで販路を広げる戦術で、ピンチをチャンスに変えています。

(出典:コクヨ

ベネトン

ベネトン
出典:ベネトン

世界的アパレルメーカー「ベネトン」では、流行の変化に対応できる衣類の製造工程を導入しています。

ベネトン社がレジャー・ストリートウェアブランドとして名を馳せた頃から、多彩なデザインの大量需要が発生しました。ニット製品を大量生産するとき、通常は流行と需要を予測して、あらかじめ染色したニット糸を縫製します。これに対し同社では、すべての色で商品展開したうえで、染色しない生成りの糸を、縫製後に売れ行きに合わせ染める行程を採用しました。

これにより、顧客は衣服として作られてから色を選ぶことができ、常に流行の最先端の色で好きな服を入手できます。同時に、同社では多量の在庫を抱えずに済んでいます。

改革と刷新が社風の同社では、生産システムや機械が約5年ごとに更新されるほか、流通システムなど多方面での革新を続けています。

(出典:ベネトン

ソニー株式会社

SONY
出典:SONY

大手電機メーカー「ソニー株式会社」は、iPodの祖先ともいえる「ウォークマン」の発明により、人々の音楽鑑賞の習慣を大きく転換しています。

開発時、ウォークマンの試作機には再生機能と録音機能が付いていましたが、発案者である盛田昭夫氏は録音機能を外すよう指示しました。通常なら機能が多いほど良いと考えますが、人間の行動を変える未知の商品の場合は、シンプルなほどインパクトがあると盛田氏は判断したのです。

結果的にこの判断が正解でした。もし録音機能を付けていたら、機能が複雑になり、消費者が初めて目にした商品を、感覚的に受け入れにくかったかもしれません。

初代ウォークマンのように、これまで世になかった商品の流通予測については、通常の市場の常識とは異なる視点が必要と、証明された事例です。

(出典:SONY

ブレイクスルーを維持し拡大するために

ブレイクスルーを維持し拡大するために
ブレイクスルーを維持し拡大するために

企業のブレイクスルーは短期で終わらせることなく、維持・拡大する必要があります。さらに事業をスケールアップできれば、企業は成長を続けることが可能です。

最後に、ブレイクスルーを維持・拡大するための戦略と、ブレイクスルー後のアクションプランについて解説します。

成功を維持するための戦略

ブレイクスルーによる成功を維持し、自社サービスの市場優位性を保つためには、継続的な品質管理と改善のサイクルを回すことが必要です。

フィードバックを収集する際には、既存の顧客からだけでなく、幅広い市場調査も優先的に行いましょう。ハイテク業界など、技術革新の速い分野では、大口顧客や既存顧客の声を優先した結果、ブレイクスルーが成立せず新興企業にシェアを奪われるケースも多いためです。

顧客満足度や収益性を重視した結果、市場の新たなニーズを読み取れない可能性があります。解決策として、新規事業を子会社化するか、新規ビジネスの立案部門を、現状の意思決定プロセスから切り離すことも検討可能な方法です。

スケールするための戦略

ブレイクスルーを維持・拡大するためには、まずビジネスモデルがスケーラブルかどうかを評価する必要があります。

ビジネスモデルのスケーラビリティは、次の項目で評価します。

  • 自動化・技術活用が可能か?→少ないコストでビジネスを拡大可能
  • ビジネスプロセスが再現可能か?→新たな市場で成功手法を適用可能
  • 低固定費構造か?→ビジネス成長時に変動費の増加に対応可能
  • 顧客を獲得・保持できているか?→新規・既存顧客からの収益維持・増大が可能

ビジネスモデルのスケーラビリティを評価したら、リソースを有効活用する方法を検討します。

主なリソース活用法に「オープンイノベーション」という、他社や外部との提携により、まったく新しい価値を創造する手法が挙げられます。組織の内外を問わずあらゆる知見を駆使しながら、組織のイノベーションを組織外へ展開でき、企業の枠にとらわれない事業の促進と創出が可能です。

さらに、外部のリソースやノウハウを活用することで、常に最新の技術を取り入れられます。また、他社のノウハウや動向を知ることで、多様化した消費者ニーズに応えることも可能です。

外部の知見を取り入れることで視野を広げれば、自社事業をスケールしブレイクスルーを起こせます。オープンイノベーションでリソースを有効活用するためには、日頃から社外との交流の場を多く設置することが重要です。

今後のアクションプラン

ビジネスモデルの評価とリソース配分を確定したら、プロジェクトの具体的な行動計画(アクションプラン)を立てます。

アクションプランを作成することにより、チーム全体で計画を共有できます。さらに「行うべきタスク」と「行わなくてよいタスク」が明確になり、戦略実行のプロセスを可視化しながら、効率的に目標を達成することが可能です。

アクションプランの作成手順は次のとおりです。

①ビジョン・数値目標の設定

ビジョンや数値目標を設定します。目標は「いつまでに」「何をどれだけ」達成するか、具体的な数値で設定することが重要です。四半期・1ヵ月・1週間など、細かい期限を設けることで、進捗を把握しやすくなります。

②具体的な行動の決定

目標達成に必要な行動を洗い出します。そのとき、最終目標を中間目標に分け、KPIを設定すれば、最終目標に向け1つずつタスクを実行でき、進捗を把握しやすくなります。

⓷担当者を決める

タスクごとの担当者と責任者を決定します。担当者を決める際には、メンバーのスキルや能力に適した配置を行うことが求められます。同時に各自の実行可能なスケジュールも考慮すると、プロジェクトの遅延を防ぐことが可能です。

④優先順位を決める

プロジェクトを効率的に遂行するために、タスクの優先順位を決めます。その際に物理的資源の活用時期や、タスク同士の前後関係なども考慮し、実施するタイミングを検討しましょう。

⑤達成期限を決める

すべてのタスクの所要時間や条件に基づき、目標達成に無理のない期限を設定します。その際に、個々のタスクの期限もあわせて設定しましょう。

アクションプラン自体が目的化しないよう、PDCA(Plan、Do、Check、Action)の業務改善フレームワークで、常に改善を実施しましょう。評価のサイクルを短く設定することで、素早い軌道修正ができます。

元の計画が失敗した場合に発動できる代替案(プランB)を事前に作成しておけば、最悪の事態に備えることが可能です。

「ブレイクスルー(Breakthrough)」に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問
よくある質問
ブレイクスルー思考とはどのようなものですか?

一般的な問題解決思考が、現状に対する分析と対策による現状の改善であるのに対し、ブレイクスルー思考は、企業の目的や、実現するためのシステム・方法から考える思考法です。

ブレイクスルー思考は、求める未来を創造するために、実現法を構築する考え方です。

ブレイクスルーは英語でどう表現されますか?

ブレイクスルーは英語でも「Breakthrough」の1語で表すことができ、「突破」「打開」「大躍進」「大発見」「大きな進歩」としても使われます。

また「大きな進歩」という意味では「great progress」が、「発見」という意味では「discovery」が使われることもあります。

(参照:breakthroughとは・意味・使い方・読み方・例文 – 英ナビ!辞書 英和辞典 Breakthrough Synonyms | Collins 英語の類義語辞書

ブレイクスルーの使い方は?具体的な例はありますか?

ブレイクスルーは、次のような文脈で使われます。

「リスクを恐れてばかりいては、ブレイクスルーを起こせない」
「この研究が発展したのは、あのときのブレイクスルーがあったおかげだ」
「法律が改正されたことで、事業モデルのブレイクスルーが起きた」

ブレイクスルー感染とは何ですか?

ブレイクスルー感染とは、ワクチンを打っているにもかかわらず、感染・発症することです。免疫を獲得してから感染すること、ウイルスが変異して感染することを指し「ワクチンを通り抜けて感染した」と表現します。

まとめ

ブレイクスルーを起こすために必要な思考は、理想の未来を実現するシステムを構築する、目的志向の考え方です。また、既存の理論に囚われない発想を生むためには、組織に挑戦を許される文化が求められます。

成功したブレイクスルーを維持・拡大するためには、自社分析に基づきスケーラビリティのあるビジネスモデルを構築することと、外部リソースを活用することが重要です。

他社との共創も視野に入れながら、ブレイクスルーで持続可能なビジネスモデルを構築しましょう。

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